オプション / Option
::目次::
定義
オプションとは、ある商品(為替、株式、債券)を一定期間内(あるいは、ある期日)にある「行使価格(Exercise
Price)」で買う(売る)ことができる権利のこと。オプションを所有しているということは、つまり権利を所有しているということであり、株式を実際に所有しているわけではない(もちろん、オプションと株式を同時に所有することによってリスクを抑えることは可能)。
ここで注意しなければならないのは、Option
は必ず行使しなければならないものではなく、権利を放棄することもできる。この「放棄する」という行為があるからこそ、Option
によるリスクフリーが可能なのである。
オプションの値段は「プレミアム(Premium)」あるいは「オプション料」と呼ばれる。
オプションを使うことを「行使する」といい、オプションを行使する方法としては、主に「アメリカンタイプ」と「ヨーロピアンタイプ」の二つがある(厳密には「バミューダタイプ」というものもあるが、ここでは略)。
- アメリカンタイプ (American Option)
オプションの行使期間中、いつでもオプションを行使可能なもの。 - ヨーロピアンタイプ (European Option)
オプションの満期日(行使期間の最終日)のみ行使可能なもの。
行使する期日を自由に選択することが可能であるため、普通、プレミアムはアメリカンタイプの方が高くなっている。当然ですね。
Option の買い手・売り手
一般に、Option の買い手はリスクフリーである、ということが言われているが、これは一体どういうことなのか?
まず、Option の買い手・売り手の定義は次のようになる。
- 買い手(Premium を支払う):
Option の権利を行使・放棄することができる - 売り手(Premium を受け取る):
買い手の権利行使に対して応える義務を負う
「100円で株を買う権利(Call Option) Premium:30円」で売り手が買い手に売ったとします。もし、この株価が150円に値上がりした場合、買い手は Premium を引いた 20円分(=50-30)得することになりますが、売り手としては、30円の Premium が手元に入ってくるものの、Option を売らなければ50円の利益があったのですから、-20円(=30-50)の損害となります(Profit + Loss = 0)。
後で述べるように、Option を持っている場合、損失を一定にすることができる(リスクフリー)のですから、Option の買い手の損失は一定であるが、株価の上昇によっていくらでも利益を得ることができる。買い手としては、損失はいくらでも大きくなる。つまり、次のようになる。
Profit | Loss | |
買い手 | ∞ | Premium のみ |
売り手 | Premium のみ | ∞ |
素人が Option の売りに手を出してはいけないというのは、このような理由だからです(賭けの要素が大きくなる)。
でも、「あそこで売っていなければ、大金が手に入ったはずなのに。。。」と言って、それを損失と見るのはどうなんでしょうねぇ。。。どうもしっくりきません、個人的には。
コールオプション:Call Option
Call Option とは、ある商品を一定の価格で買うことのできる権利。
Call Option は、商品の値上がりリスクに対する保険の役目をします。
上のグラフは株価に対する Call Option
ホルダーの利益と損失を表したグラフである。
例えば、行使価格(Excersize Price)100円、Premium 20円の Call Option
ホルダーが利益を得るためには、株価が 120円(=100+20) 以上にならなければならない。
つまり、
Market Price > Excercise Price + Premium
であることが必要である。
逆に、株価がそれより低い場合は、権利を放棄すればよいのであるから、損失は Premium のみに抑えることができる(リスクフリー)。
プットオプション:Put Option
Put Option とは、ある商品を一定の価格で売ることのできる権利
Put Option は、保有する商品の値下がりリスクに対する保険の役目をします。
上のグラフは株価に対する Call Option
ホルダーの利益と損失を表したグラフである。
例えば、行使価格(Excersize Price)100円、Premium 20円の Put Option
ホルダーが利益を得るためには、株価が 80円(=100-20) 以下にならなければならない。
つまり、
Market Price < Excercise Price - Premium
であることが必要である。
逆に、株価がそれより高い場合は、権利を放棄すればよいのであるから、損失は Premium のみに抑えることができる(リスクフリー)。
Optionの状態
行使する Option の状態によって次のように呼ばれている。
- In The Money (ITM)
:オプション行使時に利益が出る状態 - At The Money (ATM)
:オプション行使時に利益がゼロの状態 - Out of The Money (OTM)
:オプション行使時に損失が出る状態 この他にも、Deep in the money, Deep out of the moeny というものがありますが、ここでは略。
この様な状態を考えたとき、Premium が高いのは当然ですが、順に
(Deep in the money) > ITM > ATM > OTM > (Deep out of the money)
となる。